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エルサレムを旅して~人類の未来をエルサレムで考える~

今後人類はどうなっていくんだろう…
不思議とそんな大きなテーマを自然に考えさせられてしまう国、エルサレム。
今回はエジプト、イスラエルの二週間の旅を終えて素直に感じた気持ちを書いてみる。
日本に帰る最終日。夜23時。エルサレムのホテルのバー。
ど真ん中にピアノが置いてあり女性シンガーがボサノバ調の旋律を奏でて歌っている。窓の外は賑やかな交差点がありタクシーから降りる若者や信号待ちのカップルでごった返していた。男性はタイトなトップスにベルボトムのジーンズ、女性は顔が小さく背が高いモデルのような8頭身美女たち。思わずコーヒーをこぼすほど見惚れてしまう。
「意外とオシャレだなエルサレム人は。それにしてもこの旅は不思議な旅だったな…」
エジプトから始まってイスラエルのエイラットに入り、そこから北上、ミネラルたっぷりの死海で泳ぎ、パレスティナ自治区で銃を見せ付けられエルサレムに入った。あっという間だった。一日一日の出来事をゆっくりと思い出しながらコーヒーを口に運ぶ。
旅は聖書に出てくる実際の聖地を回った。
全く無知な私にとって驚きの連続だった。
聖書によると神様が私たちを創った。
最初の人間はアダムとイブだった。
しかしイブがミスを犯す。
食べてはいけないって言われていた知識の実を蛇にそそのかされて食べてしまった。
そこから人間はおかしくなる。
エゴが強くなり、仲間同士でも殺しあう。
それを見た神様は怒った。
一度大洪水を起こして世界を全滅させた。(ノアの箱舟で助かる)
神様はシナイ山でモーセに十戒を授ける。
石版に人間としての正しき約束ごとが10項目書かれてあった。
それを守るもの、破るものの歴史が続く。
そして神の子が現れる。
イエスキリスト。
彼は処女だった女性から生まれてきた。
30歳を過ぎてから彼は活発に宣教活動を行った。
病気を癒したり食事を与えたり数々の奇跡を起こして貧しい人々を救った。
にもかかわらず律法者たちから惑わすものとされ十字架にかけられ殺される。
しかしその3日後に彼は約束どおり復活する。
今でも生きていて一人ひとりを天国から見守ってくれている…と聖書はいう。
また聖書はこの先の未来も語る。
大寒難時代がやってきる。
ソフトボールくらいの大きな氷が降ってくる。
大量疫病が発生する。
イナゴが大発生する。
大地震が起こる。
キリスト教徒の迫害や大三次世界大戦みたいのが勃発する。
ぐちゃぐちゃになる。
最後に天からイエスが再臨する。
私のことなのでミステイク解釈があると思うがそんなことをガイドさんは言っていた。
しかしえらい話だ。
私の未知なることへの好奇心はどんどん深まっていく。
今後人類は果たしてどうなっていくのだろうか…
残りのコーヒーを飲み干してふとそんな大きなテーマを考えていく。
あるシーンが脳裏をよぎった。
それは14年前の阪神大震災の映像…
ガガガガガ…
そろそろ止まるやろと思ってたらそこから加速した。
ダンダンダーーーン!!!
爆弾が爆発したような爆音、直下型の揺れ三連発。
それはたった2分ですべてを変えた。すべてを奪った。
あの出来事を考えるとこの聖書に書かれていることだって全くおかしくない話だと思った。
いつまで思考に入ってたんだろうか。
まわりを見渡すとあれだけいた客がほとんどいない。
私以外にいつの間に右奥の席にいるアラブ系中年カップルだけになっていた。
もちろん答えなんて出るはずもなかった。
ただ一つ言える事は神様だけが知っているということ。
そろそろ部屋に帰ろう…
会計を済ましバーを出た。エレベーターのボタンを押す。
明日の今頃はもう東京か…
そうだ。人類の未来のことよりも来月の家賃のことを考えないと…
まるでタイムマシーンにでも乗り込むかのように私はエレベーターに乗った。
エルサレムの旅 THE END

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