オーバー500
セルフのガソリンスタンドでいつものように愛車のバイクに給油をする。
手元でカチっとレバー止まる。
ディスプレイの表示は483円。
中途半端だな…
500円ジャストになるように溢れんばかりのタンクの上にさらにガソリンを流し込んでいく
495…497…498…501…
OHマイゴッ~~~~ド!!
力みすぎたというかラストで手元が緊張してしまった。
タンクに目をやるとタンクからもガソリンがオーバーしている。
これはギリギリを追い求めた果ての結果…
メットインに入ってあるタオルで溢れたガソリンを拭きながらぶつぶつ呟く。
これはチャレンジだ 冒険だ… コロンブスだ…
するともう一人の自分が囁いてきた。
止めときゃよかったのに…
483円という安住の地にとどまっていればよかったの…バシッ!!
ご忠告をありがとう
ハエでも叩き落すかのようにその声を叩き潰した。
最近ちょっと気を緩めるともう一人の自分が話しかけてくる。
彼はいつも正論をいってくる。
彼はいつも自慢げだ。
うまくいったら顔を出さないくせに、うまくいかないときだけ顔を出してくる。
弱みに付け込むってやつ。
その傷口にポイズン的な登場の仕方がいつも許せない。
でも…
許す。許すことに今した。
チャリチャリーン♪
お釣り499円。13枚となったコインをポケットにしまう。
これからはもう一人の自分も自分なんだと太陽の下キラキラ輝くオーシャンな心ですべて受け入れていこう。
エンジンをかけ僕はまた空とこの道が交わる場所を夢見て走り出す。
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