金髪少年
富山県になるNPO法人青少年自立支援センター「ピースフルハウスはぐれ雲」25周年記念パーティーに参加してきました。不登校児、発達障害児の自立、サポートセンターです。
17歳の金髪少年に出会いました。
少年は親に捨てられ、暴走族をしていました。
少年が乗っていた二人乗りのバイクが転倒し、後ろから来た車に友人は跳ねられて死亡しました。
少年は助けようとしましたが、友人に突き飛ばされ、助かりました。
失意の中、少年は暴走を繰り返す日々でした。
雨の日、少年は一人バイクで、150キロで走行していた時、またも転倒しました。
少年には三途の川が見えました。
川の向こうに亡くなった友人とおばあちゃんいて、渡ろうとすると、
『まだ来るな!』とあの夜と同じように、突き飛ばされました。
「ポールさん、はぐれ雲の歌を僕に教えてください」
プレゼントソングとして披露した歌を少年は気に入り、フォークギターを持ってきました。
最も高い音の出る1弦が切れていました。
ちょうど、ダダリオの新しい弦を持っていたので、朝9時に起こしてくれたら、張ってあげるよというと、
「無理っす。僕いつも12時にしか目覚めないんです…」
「ポールさん、起きて下さい、朝っすよ!」
7時半でした。
「食べて下さい」
彼はなんと、6時に起きて、朝食を作ってくれました。
フレンチトーストと焼き飯の朝食。
金髪少年からは想像もつかない美味しい味でした。
「僕、料理得意っす!」
少年の目はキラキラ輝いていました。
不器用に真似ながら弦を張る姿。音合わせの時の真剣な眼差し。
6弦の新しい音が鳴り響いたときの少年の笑顔…、少年のギターと僕のギターのカノンの調べ。
いつか少年がはぐれ雲の歌を僕に歌って聴かせてくれる日を夢見ています。
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