POSTED DATE : 2015年4月4日
桜の花が咲くように
いつも通り過ぎていた道端に桜が咲き、こんなところに桜の木があったんだとしばらく眺めていました。
こうやって桜に魅せられて、普段何ともない道で立ち止まったいくつかの春の街角を思い出しました。
ちょうど一年前、金沢から神戸に活動拠点を移しました。
兵庫、滋賀、京都、大阪、和歌山、岡山、徳島、香川と関西を中心に、たくさんの学校を訪問しました。
多くの校長先生方とお会いし、一人でも多くの子どもたちに伝えさせて下さいとお願いしました。
講演では本当に大切なものは何だろうと問いかけ続けました。
ステージを降り、同じ目線で子どもたちと触れ合い、笑顔で繋がり合える時間を大切にしてきました。
いじめはいけない、そんなこと言われなくてもみんな分かりきっている。
誰も好き好んでいじめたりはしない。
きっかけはちょっとした面白半分だったかもしれない。
自分の気分が良くなく、思わずキツイ言葉を言ってしまったのかもしれない。
自分との違いを素直に受け入れられなかったのかもしれない。
ちょっとしたボタンの掛け違いからいつの間にか大きく広がっていってしまったんだ。
新天地で2度目の春。
何気ないいつもの道に、桜が咲くように、
今年度もたくさんの学校にハピネスを咲かせていきたい。
いつも心にマウンテン
POSTED DATE : 2015年3月4日
川崎中一事件について
川崎中一生の凄惨な事件にどれだけ多くの人が怒りを覚えただろうか。
上村君は島根県沖の自然豊かな地で友人や地域の人たちと笑顔に溢れて暮していた。
家庭の都合で大都会、川崎に引っ越した時、何を失い、何を得たんだろうか。
たぶん上村君は人とのつながりの薄さを肌で感じたのだと思う。
希薄な都会は孤独感を一層募らせる。
だから彼はたとえそれが悪い不良グループだと分かっていても、仲間に入りたかったのだろう。
そしてそのふとした孤独からの不良グループへの入会は退場を許してはもらえなかった。
グループ内ではメールやラインが行き交っていたらしいが、彼らの隔絶された別空間には他者は入り込めない。
ここにこの事件の大きな問題が潜んでいる。
一昨年僕は内閣府主催の海外派遣でイギリスへ行ってきた。
イギリスも今一番の問題はこのネット社会だと言っていた。
しかし、どんな状況の中でも、子どもの姿や様子から、悩み、苦しみの危険信号を読み取ることはできる。
そんな時は大人として真剣に取り組まなければならない。
一度失った命は二度と戻らない。
「命とはなぜ大切なのか」を、普段から学ぶことこそが一番求められているのだろう。
命の大切さを家庭で、学校で、地域で、しっかり学び、僕もその一翼を担いたい。
僕がいつも講演で歌っている「命輝かせながら」の歌詞をあげておきたい。
私は何のために生まれてきたんだろう
私は何のために生まれてきたんだろう
ずっと前の思い出を 探していく旅
これからどんどん大人になっていくけど
どんどん嘘もうまくなっていくけど
決して変わらないことがあることを知ってほしい
テレビやネットを見たってわからないこと
メールやラインを見たってわからないこと
本当に大切なことってどこにも載ってないから
自分で探していく旅 命輝かせなから…
POSTED DATE : 2015年3月2日
春の足音
春の音が一日ごとに大きくなり、気がつくともう3月なんだと
暖かくなっていく嬉しさと時の速さの焦りを感じている。
目元がかゆいなと思ったら、いつの間にか花粉が飛びかっている季節なんだ。
いつもの住吉川沿いのランニングコース。
去年まで住んでいた金沢では今頃まだ雪がチラついていたのにと、ふと北陸の景色を浮べる。
あの頃の仲間、そして88歳のおばあちゃんはどうしてるのかな…
みんなの顔を思い浮かべつつ、ランニングのペースを上げた。
あれ?前より息が切れていないぞ…体も軽いぞ…
早春の伊吹が僕をそうさせているのだろうか。
今年何気なく見た運勢の記事を思い出し、このまま突っ走っていこう。
POSTED DATE : 2015年1月17日
阪神淡路大震災から20年~被災地での決意~
2015年1月17日5時46分。
「それでは皆さんで黙とうをしたいと思います。黙とう…」
神戸市灘区、大和公園。
以前地域型仮設住宅があった場所。
僕は震災当初から神戸大学生の中心に結成された震災救援隊のつどいに参加し、OB、OGの方々約40名と輪になって黙とうを捧げました。
さっきまで風が吹いていたのに不思議とピタリと止みました。
真空管の中にいるような静寂の中、20年前のあの時の記憶をそっと辿ってみる。
20秒ほど過ぎたとき、ジーンと足元から伝わってくる寒さを感じました。
あの時、十分な衣服を着る間もなく放り出された人たち、
瓦礫の下敷きになった人たち、
きっとこの寒さにも震えていただろうに…
神戸に戻ってきて、初めて迎える震災記念日。
僕はこれからもあの体験を1人でも多くの子ども達へ伝え続けようと思いました。
POSTED DATE : 2014年12月12日
マララさんが日本の子ども達を見たら…
パキスタン出身のマララ・ユスフザイさんが2014年ノーベル平和賞を受賞しました。
彼女が「子ども達に教育を!」と訴えたスピーチは感動的でした。
日本の子ども達の不登校児が増えているというのは何とも皮肉な話です。
2013年度に年間30日以上欠席した不登校の小中学生は計11万9617人。
(文部科学省が2014年8月7日に発表した学校基本調査)
前年度より約7000人増加しました。
不登校は悪いのか、良いのか?という定義はいろいろだろう。
僕は今一度、学校とは何たるものかを、真剣に考えてみました。
学校は勉強を学ぶだけじゃない。
僕の体験からいえば、修学旅行で、初めて見るお城に感動して、貯金箱になったお城の置物を思わず買ってしまったり、体育会でバトンを落として恥じをかいたり、合唱コンクールで同じハーモニーを奏でて優勝したり、好きな人とすれ違ってドキドキしたり…勉強以外の学びがたくさん詰まっている。
学校でしか体験できない景色がある
同世代の仲間と巡り合い、共に泣いたり笑ったりできる友と過ごせた時間は最高だったな~。
POSTED DATE : 2014年11月30日
ホームパーティー
講演先の徳島県でホームパーティーの招待を受けました。
招待下さったF先生ご夫妻は若者の育成に取り組み、国際色豊かな総勢9人のパーティーでした。
その中にアメリカ人のALTの二人がいて、英語が飛び交って会話が弾みました。
肉じゃが、大根煮炊き、鳥の唐揚げなど、みんなで作るところから始まって、一つのものを達成する喜び。
英語が得意のはずの僕も、B級グルメの富士宮焼きそばをアメリカ人に説明する時の難しさを痛感し、
ボディーランゲージばかりが先行して、「セカンドヌードル、Aじゃないヌードル」としか
言えていない自分に愕然としました。
最後はギター弾き語りでマウンテンソングを歌い、みんなでハッピーマウンテンポーズをしました。
「国際交流」というフレーズが毎日のように流れる昨今、国際交流とは、どちらも同等に接し、お互いの文
化から突破口を切り開いて、相手に興味を持つ事だと体験を通じ学びました。
※ALT(外国語指導助手)とは、Assistant Language Teacherの略。外国語を母国語とする外国語指導助手をいいます。小学校や中学校・高等学校に児童・生徒の英語発音や国際理解教育の向上を目的に各教育委員会から学校に配置され、授業を補助しています。
POSTED DATE : 2014年11月21日
六甲の風を受けて
週2回走る神戸、住吉川沿いのランニングコース。
折り返し地点から変わる上り坂。
夜は六甲山からの風が海へと吹き下ろし、さらに抵抗を感じる。
初冬の風が心地いい。
走る前はとても寒く感じたけど。
今日の水面は鏡のように街灯を映している。
自分で決めたタイム内にゴールすることができるのかな。
時計をちらっと見る。
このペースでいけば昨日の自分を越えることができるかもしれない。
一日一日の小さな勝利を積み重ね、大きな自信へと繋いでいきたい。
POSTED DATE : 2014年10月23日
ひとつの出会いから
出会いが出会いを生む。
出会いは人生を変える。
出会いは幸せを呼ぶ。
10月16日、長野県箕輪中学校での講演をしました。
仙丈ケ岳が見える大自然の中で心豊かな生徒達の前での講演は大きな喜びでした。
3年前、長野県の学校を一つ一つ訪問していた時のことでした。
大町にある小、中学校ではすべて断られ、もう長野県での講演は無理なのかなと半ば諦め、落ち込んでいました。
夕暮れ時、帰宅への道を走っていると、冬季オリンピックが開催された白馬路に茶色い建物の白馬中学校が飛び込んできました。
それは夏の夕暮れでとても暑い日でした。
生徒たちは下校していて、学校は静かでした。
受付の事務員に声を掛けると、校長室に通してくれました。
そこに現れたのは一瞬にして僕の心を解きほぐしてくれる校長先生の笑顔でした。
これまでの経緯を話し、いじめをなくしたい思いを伝えていくと、O校長先生は理解してくれ、また校長先生の教育論も聞かせてくれました。
気づけばお互い時を忘れて、1時間半ほど話していました。
そして3か月後、O校長先生から白馬中学校への講演依頼を頂き、冬季オリンピックの表彰式会場となったホールで講演ができ、音響効果、照明等、素晴らしい環境で伝えることができました。
白馬中学校から始まった長野県の講演は今年10月16日の講演で7校目となりました。
O校長先生の推薦で県教育委員会の講師紹介サイトにも登録できました。
あの夏の夕暮れ時の、たった一つの出会い。
あの時、断られながらも、あきらめずにもう一校と勇気を出して飛び込んだことが、いじめ撲滅活動を大きく飛躍させたと思います。
POSTED DATE : 2014年9月8日
今日から自殺予防週間
「9月10日の世界自殺予防デーに因んで、毎年、9月10日からの一週間を自殺予防週間として設定し、国、地方公共団体が連携して、幅広い国民の参加による啓発活動を強力に推進」することとされました。
自殺予防週間は、当該期間中における集中的な啓発事業等の実施を通じて、国民に自殺や精神疾患についての正しい知識を普及啓発し、これらに対する偏見をなくしていくとともに、命の大切さや自殺の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対応方法等について国民の理解の促進を図ることを目的とするものです。(内閣府ホームページから抜粋)
僕も見えない未来に対して心配、不安、孤独、風船のように大きく膨らむときがあるけど、「ポール大丈夫よ!」と一言声をかけてくれる人がいて、そのたったの一言のおかげで、また子ども達の前に立つことができています。だから少しでも心配や不安を抱え、悩んでいそうな人を見かけたら、そっと「どなんしたん?」「大丈夫?」、たったの一言、声を掛けてあげてくれたらハッピーです。
悩んでいる人のちょっとしたSOSの電波を受信してあげられるような、そんな思いやりアンテナを、一人ひとりが一本でも持っていれば、人と人とがもっともっと繋がり合えるハートフルジャパンになるんだと思っています。
あれよあれよいう間に普及した携帯電話の電波のように、地方の端々でも繋がり合えるように~
最終的には動画も見れるLTEのような瞬時の速さでお互いフォローし合えたらいいのにな~なんて。
POSTED DATE : 2014年9月8日
かけがえのない命
暑く、長い夏休みが終わり、新学期が始まりました。
僕の夏休みは虫採り、野球、サッカー、ゲームをしたり、毎日が楽しくて、ストレスなんて無縁でした。
新学期には仲間たちに会うのが楽しみでワクワクして登校したものだ。
悲しいニュースがありました。
5日午後3時40分ごろ、東京都大田区下丸子2の9階建てマンション駐車場で、地元の同じ区立小に通う6年の女子児童2人が倒れているのが見つかった。警視庁池上署によると、このマンションに住む11歳と、近くに住む12歳の女児で、いずれも搬送先の病院で死亡した。7階から8階にかけての外階段踊り場で、2人のものとみられる靴がそろえて置かれており、同署はここから一緒に飛び降り自殺を図ったとみて調べている。(毎日新聞9月5日21時11分配信)
報道によると、いじめが原因ではなく、「勉強が大変」「寝る時間が削られる」など中学受験がストレスになった可能性があるらしい。
死を選択する前に、親に相談することが出来なかったのだろうか?
そんな親子関係、家庭環境ではなかったのだろうか?
何よりも命の方が大切なことを、教えてあげる大人がいなかったのだろうか?
なぜこんなに悲しいニュースが続くのだろうか。
少子化対策どころか、命を落としてしまっているじゃないか!
子ども達の命、そのかけがえのない命、尊さを、僕は全力で伝えていきたい。